美しが原高原は、長野県の名高い観光地の一つ。その高原を舞台に、今回の物語は驚きと感動に満ちたエピソードを紹介します。標高1600メートルを超えるこの霧が深く立ち込める場所には、知られざる歴史と不思議な記録が隠されています。特に、動力を持たない飛行機「グライダー」が、驚異的な距離を飛んだという事実は、今でも語り継がれています。
美しが原高原の澄んだ空気の中、霧が広がり、時折風が霧を払いのけ、目の前に広がる草原が顔を出す。その広大な景色は、訪れる人々を魅了します。しかし、この高原がただ美しいだけではないのです。昭和の時代、ここでグライダーが飛行を始めたことを知る人は少ないかもしれません。
昭和8年、初めてこの地でグライダーが飛行しました。グライダーはエンジンを持たないため、車に引っ張られて上昇気流に乗せられ、そこで綱を切って飛行を開始します。このシンプルな飛行方法にもかかわらず、当時の飛行記録は驚くべきものでした。なんと、グライダーは動力なしで500キロメートルもの距離を飛んだのです。
想像してみてください。美しが原高原の澄んだ青空を、エンジンの音一つ立てずに悠々と飛行するグライダー。その高度は最大で8000メートルにも達し、飛行時間は7時間30分にも及びました。動力なしで、これほどの時間と距離を飛行できるのは、まさに奇跡のような記録です。
しかし、この高原はその美しさと共に、霧が濃く立ち込める場所としても知られています。特に朝方は霧が深く、一歩先も見えないことがしばしば。そんな霧が深い高原に立てられた「無償灯」という灯台のような建物が、訪れる人々の道しるべとなってきました。
この無償灯は、昭和34年に建てられました。当時、多くの登山者や旅行者が霧の中で道に迷い、遭難する事故が続発していました。無償灯の鐘の音が響くことで、迷子になった人々に自分の位置を知らせ、安全を確保する役割を果たしてきたのです。
今ではこの無償灯は、美しが原高原のシンボルともなっており、訪れた人々が鐘を鳴らすことで、その音が山々に響き渡ります。訪れた際には、ぜひ鐘の音を聞きながら、この地の歴史に思いを馳せてみてください。
現在の美しが原高原は、広大な牧草地が広がり、牛やポニーがのんびりと草を食む風景が広がっています。観光客はその穏やかな風景に癒され、四季折々の美しさを楽しむことができます。特に夏の夜は、星空が美しく、都会では見られない満天の星が空を埋め尽くします。
しかし、この高原が霧に包まれたとき、訪れる人々はその神秘的な雰囲気に圧倒されることでしょう。霧が立ち込めると、一瞬で世界が変わり、目の前の景色が消え去り、音すらも静寂に包まれます。その霧の中に隠された美しが原高原の歴史と、今でも続くグライダーの飛行記録は、多くの人々に感動と驚きを与え続けています。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=pPu121PxFpE,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]