1970年代から1980年代にかけてNHKで放送された「少年ドラマシリーズ」は、多くの視聴者に衝撃を与えたミステリードラマとして今でも語り継がれています。このシリーズでは、「タイムトラベラー」や「なぞの転校生」、「未来からの挑戦」、「幕末未来人」、「七瀬ふたたび」など、SFやミステリーの要素を取り入れた作品が次々と登場しました。それぞれの作品は時代を超えて、視聴者に強烈な印象を残しました。
この記事では、これらの名作ドラマに出演したキャストたちの現在の姿を追いかけ、彼らが今どうしているのかに迫ります。
まずは、「タイムトラベラー」からご紹介します。この作品は、1972年に放送され、筒井康隆の小説『時をかける少女』を原作としています。主人公・吉山和子を演じた島田純子さん(後に麻野みとなる)は、15歳でこの役を勝ち取り、一躍有名になりました。
島田さんはその後、アイドル的な人気を博し、ドラマや映画で活躍しましたが、1984年にミュージシャンの柳ジョージさんと結婚し、芸能界を引退。現在は、夫の体調悪化に伴い、個人事務所を設立して支え続けています。
一方、未来からやってきた科学者・深町和夫を演じた木下清さんは、タイムトラベラーで人気を得た後、芸能界を離れ、運送業界に進みました。家族と穏やかに生活を送りつつも、過去の芸能活動についてはあまり語られることがなくなりました。
「なぞの転校生」は、1975年に放送され、眉村卓の小説を原作とした作品です。主人公の岩田孝一を演じた高野浩幸
さんは、6歳から子役として活動し、この作品で注目を集めました。現在も俳優として活動しつつ、後進の育成にも力を注いでおり、60代を迎えた今でも精力的に活動しています。
また、転校生・山沢典男を演じた星野敏春さんは、舞台を中心に活動を続け、俳優業と並行して演技指導や振り付けも担当しています。2022年には62歳を迎え、ますます充実したキャリアを築いています。
1977年に放送された「未来からの挑戦」も、眉村卓の原作をもとに制作されました。主人公の関浩司を演じた佐藤幸さんは、12歳で芸能界デビューし、以降多くの作品に出演しましたが、80年代に俳優業を引退し、現在は学校給食を作る仕事に従事しています。
しかし、少年ドラマシリーズのイベントなどには積極的に参加しており、ファンとの交流も大切にしています。
栄光塾の生徒を演じた小山セノさんは、1978年に歌手としてデビューした後、芸能界を離れましたが、現在もイベントなどで時折姿を見せています。
1977年に放送された「幕末未来人」は、タイムトラベルをテーマにした作品で、歴史上の人物たちと現代の高校生が織りなす壮大な物語です。和田文彦を演じた星野敏春さんは、前述の「なぞの転校生」にも出演しており、この作品を通じてさらに俳優としてのキャリアを確立しました。現在は、舞台や演出、脚本の分野でも活躍しています。
「七瀬ふたたび」は、筒井康隆の同名小説を原作とし、超能力を持つ少女・火田七瀬を中心に描かれた作品です。七瀬を演じた多岐川裕美さんは、その美しいルックスと演技力で多くのファンを魅了しました。現在も女優として活動を続け、テレビや映画、舞台でその姿を見ることができます。
また、七瀬の仲間である小林を演じた新垣義博さんは、子役時代を経てNHKのアナウンサーとなり、現在はラジオパーソナリティや証券会社の役員としても活躍しています。